インプラントの構成について

しかし私はそのときもそうだったし、いまもそうなのだが、ガン療法において軟骨を使う有効性を認識した人がほとんどいなかったことに、首をひねらざるをえない。 私の知る限り、博士の実験をほとんど、あるいはいままで誰もフォローアップしていないのだ。
A大健康科学センター内科部のM・D博士は、同じような研究をしている数少ない研究者の1人である。 P博士が実験を始めたのと同じ年に、博士も牛の軟骨の対ガン効果の研究を指揮した。
D博士は、試験管その他の人工的な環境のなかでガン細胞に牛の軟骨を直接ぶつけるとほとんどすべてのガン細胞は死滅したと、ある論文で書いている。 博士は実験材料として、人間の3つのタイプの培養したガン細胞と2人のガン患者から直接採取したガン細胞を使った。
その結果、卵巣、脾臓、大腸、畢丸などの生体組織の腫瘍にカトリックスを連続して大量にぶつけると有効なことを確かめた。 もっともよく反応したのは、卵巣ガンのサンプルだった。
卵巣ガンの患者の半数は手術も不能だとされていることを考えると、これはきわめて重要な事実である。 博士は試験管のなかの実験によって軟骨の抽出物を臨床実験に拡大して使用し、その結果、評価すべき正当性が実証できたと結論している。
しかし、誰1人として、この臨床実験をやっていない。 旧態依然たる医学界という車輪ほど回転の遅い車輪は、ほかに例がない。

それはともかく、軟骨に対するもっとも初期の探偵、P博士も、舞台から姿を消してはいない。 博士は軟骨の免疫機能に関する研究を行なっていた。
そして、カトリックスSというカトリックスを注射用にした製剤が、抗体の生成を増やすことを明らかにした。 軟骨のなかのムコ多糖体と呼ばれる複合炭水化物が、軟骨に血管造成を抑制する働き以外に、他の医学上の効能を与えているのは明らかなのだった。
免疫機能に影響を与えるのはムコ多糖体で、これは同時に炎症を抑える効果も持っている。 ムコ多糖体コンドロイチン硫酸塩AやCは、昔から炎症抑制効果で知られてきた物質である。
そしていまや、同じムコ多糖体物質でも、合成したものより鮫の軟骨のなかに自然にあるもののほうが、より効果的らしいとわかってきた。 これらの効果は、軟骨全体のなかに含まれる血管造成抑制効果と免疫増強効果の両者が結びついてのものだが、それでも研究者に自然な軟骨そのものを使っての実験をさせるには、まだ理由が不十分なようである。
P.A・D博士は、1988年の論文で次のように説いている。

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